的確な判断が釣り人の命を救いました。
鹿児島県南さつま市で、海に落ちた2人の釣り人を漁船で救助した男性に、串木野海上保安部から感謝状が贈られました。
人命救助に貢献したのは、南さつま市で漁業を営む宿里銀次さんで、1月28日は串木野海上保安部の山景秀人部長から感謝状と記念の盾が送られました。
宿里さんは1月10日朝、南さつま市の黒瀬漁港の沖合いに仕掛けた定置網の様子を見に行ったところ、岩場と定置網をつなぐロープに男性の釣り人がしがみついているのを発見しました。
いったん救助を要請するため、携帯電話のつながる場所に移動し、現場に戻ったところ、別の釣り人も高波にさらわれて漂流していたため、自分の漁船で近くにいた人と協力し、2人を引き揚げました。
救助された2人には低体温症の症状が見られたものの、命に別条はなかったということです。
宿里さんによりますと、この日は風も強く、海はしけの状態で二次災害を起こさないよう救助も難しかったそうです。
釣り人2人を救助・宿里銀次さん
「感謝状をもらえたことはうれしいが、本当はこんなことは起こってほしくない。生きているうちに助けられたことは良かった」
また串木野海上保安部も、転落した2人はライフジャケットを着けていたものの、当時の気象条件では命の危険性もあったとして、改めて釣り人へ注意を呼びかけています。
串木野海上保安部・山景秀人部長
「救命胴衣を着用すること。単独では行動せず、1人で行く時は家族へ連絡すること。いざという時の救急連絡先の確保をお願いしたい」