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宮島水族館の「タチウオ」なんと1本釣りで捕獲 展示再開のウラで奮闘する飼育員 熱い戦いに密着

近年、生息数が減少し宮島水族館での展示が一時中断した「タチウオ」。その展示再開の裏側では飼育員たちが奮闘していました。

先月下旬…早朝から様々な道具を準備するのは、宮島水族館の飼育員たち。

【鈴木記者】
「準備が進められているトラックの荷台を見てみると、海水を凍らせた氷だということなんです。さらにこちら釣り竿ものっています」

水族館から車で向かったのは近くの桟橋…

【宮島水族館・御薬袋聡 飼育総括】
「いまからタチウオを一本釣りでとっていくが、まだ海水の水温が高いので25~26℃ある。どうしてもそれだと魚が傷むので、20℃くらいまで運ぶ水温を落として運ぶ」

スナメリと並ぶシンボルとして宮島水族館が力を入れてきたタチウオの展示。
しかし近年、瀬戸内海での生息数が減少したことで、入手が困難となり今年1月には展示が中断する事態に。

それでもなんとか”生きた姿”を来館者に見てほしいと、この日もタチウオを求めて海に出ます。

【宮島水族館・御薬袋聡 飼育総括】
「タチウオを釣るためのルアーです。かえしは全部とっている。すぐ外れるように。あとは普通、針を2つとか3つつけるが(採集では)1つだけ」

実は、水族館で展示されるタチウオは、飼育員が1匹1匹釣り上げているんです。

「スローにスローに、ちょっとしゃくって」

ウロコがなく、傷つきやすいため、生きたまま運ぶことが難しいタチウオ…船上の4人の飼育員は釣った後、元気な状態ですぐに持ち帰るため、2つの担当に分かれて素早く作業を行います。

「よっしゃ…」

早速タチウオか…?!竿が大きくしなります。
しかし…。

「バレてる…」
「針が伸びています。ハマチか何か」

その後は時間だけが過ぎ、ポイントを変えてチャレンジすることに。
そこにはすでに、ほかの船が…。

ここには”いる”…!
すると、飼育員の竿にもアタリが…!

【宮島水族館・御薬袋聡 飼育総括】
「おっ!ええ感じや!」

【この日の1匹目を釣った宮島水族館の飼育員】
Q:ちょっとホッとした?
「すごいプレッシャーですもん。釣れへんかったらどうしようみたいな」

待望の1匹…”勝負”はここからです。
直接触れないように袋をかぶせ、その後すぐに、気圧の関係でたまった空気を抜くため腹に針を刺します。

そして、横たわっていたタチウオの立ち泳ぎを確認したら、船の後ろにあるもう一つの水槽へと素早く移動…
この水槽は”密封”されていて、船が揺れても魚は揺れない、タチウオ採集には欠かせないものです。

【宮島水族館・御薬袋聡 飼育総括】
Q:ようやく釣れはじめた?
「そうですね。きょうのタチウオはそこそこ大きくて、タチウオらしいタチウオですね」

この日は8匹を生きたまま水族館に運びました。
そして宮島に着くと…水族館スタッフ一丸となって素早く運搬します。

「お願いします。じゃあ走ります!」

1分1秒が勝負!事前に決められたポジションで、水族館の中へと1匹1匹バケツリレー。最後は水槽の上からゆっくりとタチウオを泳がせます。

【宮島水族館・御薬袋聡 飼育総括】
「ギラギラ光ってヒレが波打つ綺麗な姿とか、タチウオの生きている姿をぜひたくさんの方に見ていただきたい」

飼育員たちの熱い思いで展示されている水族館のシンボル。
現在、20匹が泳いでいるということです。

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