上天草市の地域おこし協力隊の男性が自然の素材を使った釣具を開発しました。コンセプトは「環境に優しい釣具」。天草の豊かな自然を守ろうと取り組む男性を取材しました。
上天草市に住む明瀬 智博さんです。
2021年10月に地域おこし協力隊となり、「釣り」を切り口とした上天草市の観光イベントの企画や海岸のゴミ拾い活動などに取り組んでいます。
去年11月には、釣り人のマナーアップにつなげようと魚を1匹釣ったらゴミを1つ持って帰るイベントを開催し、大盛況でした。
「天草の豊かな自然を守り地域を活性化したい」。
そんな思いから明瀬さんは「環境に優しい釣具」の開発を進め、『46AMAKUSA』というオリジナルブランドを立ち上げました。
【明瀬 智博 さん】
「意外と『天草』という名前とか、釣り場としての認知度はものすごく高いのですけど、それが何県にあって、とか特産品は何で、とかいうのが浸透してないなと感じてきて、釣具で天草をPRできたらいいな」
釣り具として使用するのは天草地域の特産品など自然の素材です。
こちらの毛鉤(けばり)は、地鶏の『天草大王』の羽を使っています。
地元の養鶏場から廃棄される羽をもらって作りました。
【明瀬 智博さん】
「実際に上天草の海で試したところ、アジやメバル、ガラカブ、チヌなどが釣れることに気づいて、これを商品にしたら面白いと」
魚のエサに似せて作られたこちらの『ワーム』は、『天草晩柑』の果汁とパウダーを使用しています。
他にも、解体された古民家の廃材を使った和製ルアーも製作。イカ釣りで使用するということです。
実際に、近くの海に行き、『天草大王の毛鉤(けばり)』で釣りをしてもらうと…
【明瀬 智博さん】
「釣れました」
釣りの時でも海岸のゴミ拾いは欠かせません。
【明瀬 智博さん】
「普段から清掃活動は釣りの時とかにしている」
こうした明瀬(みょうせ)さんの取り組みに上天草市の職員は…。
【上天草市企画制作部企画政策課地方創生係 飯野 亮 参事】
「こういった明瀬さんの取り組みが、美しい海をみんなで守っていこうという取り組みにつながれば非常に喜ばしい」
明瀬さんが開発した商品は『46AMAKUSA(しろうあまくさ)』のホームページから購入できるということです。
【明瀬 智博さん】
「いろんな方に作った商品を使っていただいて、ちゃんと海に返っていくような、朽ち果てていくような釣具をみなさんに使っていただきたい。他のメーカーも自然環境にいい釣具が今後、増えていったらうれしい」