釣り上げられているのは「アオリイカ」です。
種子島ではイカ釣りがさかんで専用のルアーを使う「エギング」と呼ばれる釣りの人気が高まっています。
そんな種子島全島を舞台に開かれたイカ釣りの大会で大物を追う釣り人たちの奮闘に密着しました。
種子島支局中村記者の取材です。
5月21日午後8時ごろ、すっかり暗くなった西之表市にある港です。
岸壁で釣りに勤しむ男性がいました。
地元の窪田大樹さん。彼が狙う獲物はイカ。
窪田大樹さん
「水の色とかイカの活性にあわせてサイズとか色なんかも変えたりしますね。これで釣れたらいいなと思って。」
イカ釣り歴8年。これまで最高で5.4キロのイカを釣り上げたこともあるそうです。
一足先に友人が釣り上げていたイカを見せてもらいました。
Q.アオリイカ・ミズイカですよね?
「ですです。」
Q.イカ釣りの魅力って何なんですか?
「駆け引きですかね。餌との。引っ張ってもらって上げるまでのこれが面白いもんで」
窪田さんが使うのはエギという疑似餌。
水中に沈んだエギを釣り竿を上下に動かすことで本物の餌のように動かし、イカを捕らえます。エギングという釣りの手法です。
釣りを始めておよそ1時間。竿にあたりがあったようです。
窪田大樹さん
「イカですね。やっぱりエギの色代えた途端でしたね。」
九州ではミズイカとも呼ばれるアオリイカ。肉厚で濃厚な甘みがありイカの中でも高級品として扱われています。
種子島周辺では特に大きいアオリイカが釣れるため、島外からも多くの釣り人が訪れるそうです。
そんな種子島で5月25日から26日にかけて、島全体を舞台にしたイカ釣り大会が開かれました。
新型コロナの影響で4年ぶりとなる今回は、島の内外から81人が参加。
種子島FishingTournament大会実行委員会 石原達実行委員長
「釣りする仲間でいろいろ集まって、意見交換とか楽しくワイワイしたいなっていうのが目的。エギングっていう釣りの仕方は全国的にはやってますので、種子島って大っきいのがすごく釣れるので、島外からも来て欲しいな」
大阪からの参加者
「気合いは入ってます。上位入賞〜頑張ります。」
鹿児島市からの参加者
「種子島はサイズが大っきいのが釣れるので、楽しみにしてきました。目指すは優勝、頑張ります。」
釣り方はエギングのみで餌釣りや渡し船、船釣りはNG。500グラム以上のアオリイカ、3杯の総重量で勝負を競います。
会場には窪田さんの姿もありました。
勝負は午後1時から翌日の正午までの23時間。窪田さんがポイントに選んだのは、種子島の北部です。
窪田大樹さん
「もう投げました?」
参加者
「潮目があっちに流れてる」
釣り仲間にあいさつを済ませた窪田さん。最初の1投目でいきなりヒット!
「200(グラム)ぐらい。これはリリースします」
この後、日が出ている間は誰の竿にもあたりはありませんでした。
本番は日が暮れてから。みなさん、本腰を入れて釣り竿の上下動を繰り返します。
大会開始からおよそ7時間が経過した午後8時頃。
ようやく窪田さんにあたりが来ました。
(記者)やりましたね!
窪田大樹さん
「やりました。まだ大っきいのが欲しいっすね。釣れたから良かったです。」
1.2キロほどのアオリイカです。
同じポイントで釣っていた仲間にもあたりが。
それ以降、別の仲間にも次々とヒットが。島外から来たという男性が釣り上げたのは2キロ近くありました。
その後もイカとの駆け引きは夜通し続けられました。
5月26日午前7時ごろ
(記者)おはようございます!
窪田さん
「結局あまり寝てないです...」
窪田さんはその後、午前9時まで釣りを続けましたが、新たなヒットは来ませんでした。
種子島支局中村記者
「こちらでは検量が行われています。果たして大物は釣れたんでしょうか?」
参加者の4分の1にあたる21人が検量に持ち込みました。
今大会の最高記録はこちら...3.44キロのアオリイカ。
そして、優勝したのは3杯で5.2キロをつり上げた地元の男性です。
窪田大樹さん
「思ったより厳しかったですけど、何よりも楽しかった。それが一番良かった。(来年も)もちろん出たいと思います。(狙うは)優勝です。」
大物のイカを追い求めてまた来年も我こそはと、釣り人たちがここ、種子島の地に結集することでしょう。